ままの勘違い

だから、ままはお散歩から帰るなり、パパに「ねえねえ、今日新発見したのよー
前ヶ崎城址公園って知ってる？」って、得意気に話した。
そうして返ってきた言葉は「知ってるよ～♪いつも行ってる場所だもん♪」だった。
ままは、「なあんだあー　ハッピーったら、僕初めて来たよって顔してたわよー」
って、がっかりだった。
でもねすぐに「あそこって、なかなかいいわよねえー」って、ままはとても
嬉しそうだった。
まま、ごめんね、だますつもりはなかったんだよ。
僕は嬉しくてただリードを引っ張ったんだよー・・・
まっ、いいかっ！
たまには？こんな勘違いもね。
ままをがっかりさせたわりには、それ以来、ままは新しい散歩道を見つけるのが
楽しみになったようだ。
あっちに行くとどんなかな、こっちの方は？って、毎回コースを変えている。
まま、今度はどんな道を見つけてくれるの？
新発見の喜びは当分続きそうだ。
だけど、お散歩ストーカーなんて、あまり聞いたことがないよね。（笑）

多分こっちに行ったのかなあ？と選んだ道の先にも、先ほどの夫婦の姿は
影も形もなく・・・
それでも、きっとこの道だわと確信したままは、僕が知っている、前ヶ崎城址公園の
方面に向かって行った。
まま、こっちこっちと僕はリードを引っ張った。
ここで、ままは勘違いだ。

それがなんで目を引いたかというと、あの道を通り越して行った
先はどうなってるのかなあ？と、ままはお散歩するたびに思っていた
のだけれど、その不明な道に向かってそのひと組の夫婦が
「ここはいつもの私達のお散歩道なのよ～ルンルン～♪」という
感じで歩いた行ったからだった。
そうかあーいつものお散歩道っていうことは・・・と、勝手に解釈
したままは興味深げに二人の後をストーカーしたのだった。
でもね、途中までしっかり後をついていったけれど、僕は突然
お腹のあたりがおかしくなってしまって、そうさ、小休憩となった。
急いでうんぴの始末をして、はっと見渡してみたけれど、その
夫婦の姿はどこにも見えぬ。
消えていた。
あーあ、ここまでついてきたのに、残念ねえー
ねっ、ハッピーもそう思う？って聞かれたけれど、僕のせいで、
見失ってしまって、僕は平謝りだった。

「そうかあー、ハッピーはままにだんだん似てきたわね。
欲張りズムって言う言葉があるけれど、そういう向上心を伴った
欲張りは大いに結構なことだけれどねえー
単なる無理な要求は却下ね。
今の状態では、ままは毎日お仕事があるから、無理な話だもの。
えっ！早起きすればいいって？それはそれこそ、実現不可能な
お話よー
えっ！夜更かしをやめればいいって？
ハッピーったら、自分のことばかり考えているでしょう？」

しょぼーん・・・そうかも・・・
いや、ままの健康のためも少しは考えているよー
夜更かしはやめた方がいいと思うよ・・・

ままも、ここでしょぼーんだ。

平成１９年５月２０日の日曜日。

今日はね、朝からとってもいいお天気で、最高のお散歩日和だったよ。
パパがこないだ、ままにこう言っていたよね。
「ハッピーはね、僕とお散歩するよりも、実はままとお散歩する方が好きなんだよ♪
だって、ハッピーとお散歩している時に、ハッピーはままと土日にお散歩するのが好きなんだよねって言うと、
振り向くんだよ～♪」ってね。
ままは、その時「本当かなあ？」って、疑心暗鬼だったけれどね。
僕はね、ままに似て欲張りなのかもしれない。
毎日パパとはお散歩するけれど、やっぱりままともお散歩したいんだよね。
理想を言えば半々がいいかな。もっと理想を高く言えば、毎日パパとままと一緒にお散歩できたらいいな。

習慣というものはある意味では恐ろしいものだよね。
早寝早起きが理想だとは思っていても、今までの生活習慣を
改めるということは、かなりの意志の強さを要求されるわけで、
おいそれとはいかないようだ。
まっ！いいかっ！」贅沢は言わないようにしようっと！
ともかくも、今日はままとお散歩できたのだし、文句はなしだ。

しかも、今日はね、面白いことがあったんだよ。
あれっ！いつものお散歩道とは違うなあーと思ってはいたけれど、
まさか、ここに来ようとはねえ。
初めてままと来た場所。
それは、前ヶ崎城址公園だ。

それがね、いつものお散歩道を通っていると、向こうから夫婦が
やってくるのを僕たちは見つけた。
こういうことは日常茶飯事ではあるけれどね。
だって、この辺りはお散歩のメッカだもの。

そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪　ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？

「ハッピー、ここ初めて来たわよねえ～　こんなところがあるなんて、まま知らなかったわー！
ハッピーも　嬉しいのねえ～♪」
どうも、ままは僕がリードを引っ張ったのは、初めて来たところだし、興味津々で、それで
引っ張ったなって、思ったらしい。
僕は「違うよ、ここはね、パパとしょっちゅう来ている所なんだよ～♪」って、ままに
言ったけれど、新発見だわ！って興奮状態のままには通じなかったようだ。