第33回　流山花火大会

パパに「ちょっとうるさいよ」と言われるくらいにね。
もちろん、パパは笑顔でうるさいって言ったんだけれどね。
それだけ、感動してもらえば、誘った甲斐もあるというものだよね。
ままもそうだけれど、宇実お姉ちゃんはままに似たのか、感情的な所が
あるから、こういう時ってもろに感動を言葉に現すんだよね。
要するにじっと心の内に秘めて我慢、なんてできやしないのさ。（笑）
ままとお姉ちゃんは最後までうるさかった。
内気で気弱な（うそだよ）パパは、きっと心の中で叫んでいたんだろうけどさ。

この江戸川での花火大会は、向こう岸の三郷市でも同時開催で、流山の方だけ
ではなく、三郷市の方の花火にも目を奪われ、両方楽しむことができた。
三郷市の方ではしかけ花火もあり、其々競演ということで、独自の良さを
醸し出し、観客を喜ばせた。

古いビデオから撮った写真だから、少し解像度が落ちるけれど、一応映像を
載せてみたよ。

実際にこんなに近くで観た花火は茅ヶ崎海岸以来だ。
お姉ちゃんは小学校1年生だったからね、あまり覚えていなかったようだね。
今回は、こんなに間近に観ることができて、本当に良かったね。
僕は、大きな音が苦手だから、今夜の花火は一緒に観ることができなかった
けれどね、ビデオで少し花火は観たよ。
パパがボリュームを下げてくれたからさ。

平和台の駅からは5分くらい歩く。
開演は19時だけれど、30分くらい前には着いた。
きれいな歌声が川辺から聞こえてくる。
前座にどうやら歌手を呼んでいるようだ。
声量があって、すごく上手だ。
パパ達が予約した席はSS席だった。
いわゆる一番良い席で、一人3000円だった。
どんな席かな？
番号が椅子に振ってあるけれど、一つだけ番号がない。
係りの人に伝えたら、すぐにすみませんと、他の椅子を持ってきてくれたけれど、誰かが
持って行ってしまったのかなあ？
まあ、すぐに補充してもらったから、いつまでもぶつくさは言わなかったけれどね。
もちろん、用意をした時にはちゃんとあった椅子なんだろうからさ。
コアラテレビの中継も入っているようだ。
主宰者のテント席のすぐそばで、歌っていた歌手もはっきり見える。

そろそろ、始まるね。
10秒前、9秒前・・・カウントのアナウンスだ。
「おおーっ！」
バチバチバチッ！と高らかな胸に響く大音響と、鮮やかな強烈な花火の色に
パパもままも宇実お姉ちゃんも一瞬息を止めた。
人間って、驚いて感動した時って、本当に一瞬息が止まるようだね。
中でも、お姉ちゃんは特に感動したみたいで、最初から最後まで感嘆符が飛び交った。

平成21年8月22日の土曜日。

夏のイベントがもう一つ残っていたよ。
前ページにも書いたけれど、花火大会を予約していたんだ。
流山の花火大会はもう今年で33回目だ。
でもね、今まで一度も見に行ったことはなかった。
ベランダから、ちらーっと見るくらいでね。
でもね、今まで気が付かなかったけれど、観覧席がちゃんと設けられているのを
パパが市の広報で知って、それだったらいいねえ～と早速予約を入れたのだった。
最初は、宇実お姉ちゃんは8月の上旬に遊びに来る予定だったから、パパとままと
二人分しか予約を入れていなかった。
だから、お姉ちゃんが18日から23日までいることができるとわかり、急遽、席が空いて
いるかどうか市役所に問い合わせをした。
良かったね～♪
パパ達の席のお隣ではないけれど、後ろの席が空いていただなんてね。
パパが後ろに座るから、ままとお姉ちゃんは前の席に座るといいよって、パパが
言っていた。
パパは優しいからね～(*^。^*)

美容院で着付けをしてもらったのかな？
アップした髪もとても整っているしね～
あの髪飾りもすてきねえ～
あっという間に、平和台に到着した。
さ～て、ここで買い出しだ。
有名な駅前のIスーパーでビールとおつまみを買った。
雰囲気出てるねえ～
レジの人は全員浴衣姿だった。
ここは儲け時か～（笑）

お姉ちゃんがたこ焼きもここで買った方がいいんじゃない？
ってままに言ったけれど、ままはいや、やっぱり、たこ焼きはアツアツじゃないとねー
てなことで、結局買わなかった。
しかし、花火会場に着いてみると、たこ焼き屋の前にはずらーっと行列が！
行列が嫌いなままは「いいわよ、たこ焼きがなくても乾きもののおつまみがあるから」
って、やせ我慢をした。
やせていないけどさあー（笑）
「やっぱり、まま、お店で買った方が正解だったわねえー」
お姉ちゃんは一度言ったけれど、しつこくないからさ。
これで、この件はおしまいだよ。
今度からは、ようく先を読まなければねえ～（笑）

花火を観ながらビールを飲みたいし、しかも混むだろうからと、電車で出かけることにした。
南柏駅に着くと、老若男女の浴衣姿の人がたくさんいた。
最近は若い人が結構浴衣を着ている。
「浴衣でデート」っていうのが流行りなんだってね。
着物離れが多い中、これは喜ばしきことだよねえ。
ふーん、確かに下駄でなくて、サンダル履きの人もいるわねえ～。
ままは少し安心した。
花火大会は江戸川で行われるから、到着駅は流山電鉄の平和台駅だ。
南柏からだと、新松戸か馬橋で乗り換えだけれど、時間帯でどちらの駅が良いかは
変わってくる。
パパ達が乗った時刻では新松戸で乗り換えの方が良かった。
大勢の人が降りた。
既にこみこみだったそうだ。
どうしても浴衣姿の人が目に付く。
帯はどんな風？
あれは造り帯かしらねえ～
あの帯の締め方、変わっているわねえ～
宇実お姉ちゃんとままはちらっちらーっとついつい観察をしてしまった。

わざわざ買うのも、勿体ないしねえー・・・
「まま、大丈夫よ！最近はね和サンダルっていって、サンダルでも大丈夫なのよ、
何かあるでしょう？」
あったあった～！
結局、なんとか合うサンダルを下駄箱から見つけ出し、それを履いてゆくことに
なった。
帯の締め方もままはうろ覚え。
逆に娘のお姉ちゃんの方はしっかり、ネットで研究したからって、ままは教えて
もらう羽目に。
実は、一昨日泊まったかやぶきの郷「旅籠」で浴衣を着て、お風呂に入る毎に、
帯を締めて、既に何度か練習していたのにね。
すぐ忘れるんだよね。
どうもこういう類は苦手なようだね。
せっかく一生懸命着た浴衣姿だったけれど、写真を撮ってもらうのを忘れてしまった。
花火、花火って、そちらの方が主体だったからね。ああー、残念！

お姉ちゃんは、花火大会にはやはり浴衣を着なくっちゃと福岡から浴衣を持参した。
でも、パパに見せたら「地味だよー」と言われ、お姉ちゃんはしょげていた。
持参の浴衣は昨年、お店の人に勧められて購入したものだった。
全体的にグレーの地だから、一見確かに地味に見えるけれど、ようく見るとめだかが
泳いでいて、とてもかわいい。
浴衣と言うと派手な色が多いから、そういう意味では珍しいかもね。
お店の人が言うには、この色に派手な真っ赤とか鮮やかな帯を締めるととても映える
んですよとのアドヴァイスだったそうな。
たしかにねえ～
文句を言った手前なのか、パパはお姉ちゃんに新しい浴衣を買ってあげた。
もちろんそれに合った帯もね。
ままはこのところ浴衣は着たことがなくて、和箪笥にしまっていた浴衣を
取り出したけれど、しみが入っていた。
どうしようかと迷ったけれど、結局お姉ちゃんのそのグレーの浴衣を借りることにした。
帯の方は大丈夫！箪笥からブルーの帯を取り出し、合わせてみた。
めだかだから、ブルーの帯で合うわねえ～♪
グレーの地が幸いしたね。とても映える。
ままが着ても違和感は全くなかったよ。

ところが・・・
しまったっ！下駄がない！
お姉ちゃんは、下駄もしっかり持参していたｋれど、ままは浴衣を着るつもりが
なかったから、用意をしていなかった。

そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪　ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？