パパが「見てご覧、テーブル」と言って指差した。
それはクロスではなく、何やらプリントされたテーブルクロスならぬ、
ペーパーだった。
イアリアンレストランだから、英語じゃあなさそうだね。
どうやら、この言葉はイタリア語だね。
○○さん、お誕生日おめでとう♪と日付入りでお祝いだ。
そして、よーく見るとままの名前だけではなくて、パパの名前も
書かれているではないかっ！
「そうかあー思い出したよー」パパはままに話した。
実は宇実お姉ちゃんと一緒に予約する時に、「母のお誕生日だけでは
なくて、親の結婚記念日でもあるんです。」と宇実お姉ちゃんが
伝えていたことを・・・
宇実、ありがとう♪
ままはとても嬉しかったみたいだ。
この時点では笑い転げるどころか、胸がジーンとしてきたそうだ。
さあー、行こうか！
車でそのスタジオとやらに行くのかと思っていたら、電車で行くらしい。
「今夜のお食事はいつもの飲み屋さんだからね。
そのスタジオは野田にあるから、帰りにそのまま寄ればいいよ。」
とパパ。
「そうねえー飲むから、車はダメよね。」
美容院に行く前に、パパから「そのスタジオっていうのはね、
きっと笑い転げるよ、うーん、それとも気恥ずかしくなるかもね。」
と意味ありげに言われ、パパ自身がその後(；＾□＾)あはは…
って笑い転げたりして、ままは「一体どんな風なのかなあ？」って、
美容院でもずーっとそのことばかり考えていた。
今日はね、そういうわけで、パパとままはご機嫌だった。
ままは特にルンルン気分だった。
だから、というわけでもないけれど、今日はやまびこ公園まで足を
延ばしたよ。
前のページで近くには竹林もあるし、栗林もあるって言ったでしょう。
今日は、ままがそれらの写真を撮ってくれたよ。
栗林の方の栗の木はまだ、小さくて低いけれど、ちゃんとそれでも
栗の実はできているんだよね。
「桃栗3年柿8年」っていうけれど、これって種をまいてから
実がなるまでの期間のことなのかな？
それとも苗木からの期間なのかなあ？どっちなんだろう？
まあ、この栗の木は実がなってるから、3年は経っているって
ことだね。
「大きな栗の木の下で～♪」っていうお歌があるけれど、
早くこの栗の木が大きくなるといいなあ～♪
そうそう、この「コメ・スタ」レストランの経営者はね、元キッコーマン
の社員さんだったそうだ。
当時「もろみステーキ」という商品を開発した経験があり、
その時に”醤油は日本人のDNAである”と感じていた。
そこで、地元野田市が誇る食材でもあり、オリーブオイルとも
相性が良く、イタリア料理にこれは使えると醤油に着目したのだった。
そこで、ご当地メニューの誕生だ。
いわゆる、醤油のもろみを使った料理で、「野田市のスパゲッティ」や
「野田市のピッツア」他地元にちなんだネーミングで大受けだ。
そうなんだ、そういう「もろみ」のみならず、地元の野菜もふんだんに
使い、その良さを最大限に生かしているわけだ。
この独自のメニューに加えて、ホスピタリティー溢れる接客ぶりは
次のページで紹介するね。
きれいにセットもしてもらったから、ちょっと時間がかかったようだね。
最後に「いかがですか？」って、後姿を鏡で見せられ、そして、
正面の鏡をじっくり見ると・・・
「あらっ！妹に似ているような・・・」
ということは、若返った？少しはきれいになった？
ままは自惚れてしまった。
でもね、この事は月曜日に会社の人から「あらっ！今日の髪型・・・
あらっ！妹さんにやっぱり似てるわ～♪」と言われたそうだから、
本当なのかなあ？
ままは、子供の頃からいつもお友達に「妹さんって、きれいなのねえー」
って言われてしょげていたそうだから、本当に嬉しかったようだ。
まあ、そのお話は置いといてっと。
パパにお迎えの電話をする時に、ままはあまりにも時間が
かかってしまって、大丈夫かな？って不安だった。
でもね、オッケーだったよ。
パパはご機嫌だった。
まま、良かったねえ。
「こんばんは～♪私が今日の担当の山下です。
どうぞ、よろしく～♪」
お話の仕方や声を再現することは難しいよね。
ともかくも、陽気で気さくな感じの方だったそうだよ。
ちゃんと自己紹介のカードも添えての挨拶だった。
「お誕生日おめでとう～♪そして、結婚記念日おめでとう～♪」
「かんぱ～い♪」
「ねっ！確かにセットはされていただろう？」
「んもおっ！確かにテーブルセッティングはされていたわねえ～♪」
ままは大笑いした。
でも、まだこの時点でも笑い転げはしなかった。
そして・・・着いた所は、なんとスタジオはスタジオでも、「コメ・スタ」
というイタリアンレストランだった。
「うーん、マイッタアー！」
でも、ままはこの段階では笑い転げはしなかった。
「実はね、宇実とこないだ、下調べにランチを食べに来たんだよね。
その時に、すぐ予約を入れていたんだ。」
そんなこととはつゆ知らず・・・そういえばあの日の夕飯は
出来合いのお寿司だったなと思い出した。
出かけて、遅くなったからって言ってたような・・・
な～んだ、そういうことだったのねえー。
ままは、思い出したのだった。
現在、パパはお仕事は辞めて、お家にいるようになったから、
お夕飯はパパの担当なんだよね。
ままは、毎日残業で遅いから大助かりだ。
また、横道に逸れてしまったね。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪ ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？
｢ただいまあ～♪」
お散歩から帰るのを待ち受けてたように、パパがいきなり、
「今日はね、夜6時にスタジオを予約したから、きれいな洋服を
来ていくようにね。」って、ままに言っているのが聞こえた。
うん?スタジオ？ということは、記念撮影するの？
ままが聞いている。
「うーん、まあ、記念にはなるかな？
あのねえー、そこってテレビでこないだやっていたんだよ。」
「へえー、じゃあきれいに変身とかするわけ？」
「
