平成１９年5月12日の土曜日。
2～3年前までは、つくしがこの辺りにもたくさんあったけれど、最近見かけなくなった。
つくしがあった場所には栗が植えられちゃったし、家がどんどん建っているし、どんどん
少なくなっている。
ままのおばあちゃんが２年くらい一緒に住んだことがあるけれど、その時にはお散歩の
途中でつくしやセリをよく摘んでいた。
もちろん、ままが小さいころにもよく摘んできたそういう野草をお料理して食べさせてくれたらしい。
「ねえ、まま、結構、野草って、食用にすることができる草が多いんだよね。」
天国に行ってからもう１２年も経っているなんて、今でも信じられないそうだ。
昨日のことのように、思い出されるって・・・
いくら考えても、思ってもお姉ちゃんが戻ってくるわけではないけれど、それでも、
毎日毎日御仏壇に向かってままはつぶやく。
「助けてあげられなくて、ごめんね・・・」ってね。
きっと暇だともっともっと思い出すに違いない。
だから、ままはいつも忙しくしているのかもしれない。
時とともに昔の記憶は薄れていくっていうけれど、決してそんなことはない。
いつだってどこだって、ままの心の中には二番目のお姉ちゃんがいて、そばを離れない。
ままは、時々さびしそうな顔をする。
そんなとき、きっとお姉ちゃんのことを考えているんだろうな。
「そうねえ～野原にはたくさん食べられる野草があるのよ。
よもぎも食べられるのよ。
もうずいぶん昔のことだけれど、二番目の小さい頃からお姉ちゃんはお料理が
大好きでね、おばあちゃんが遊びに来た時には、よもぎを摘んで、よもぎもちを
おばあちゃんと一緒によく作っていたわねえ。」
二番目のお姉ちゃんは、天国に行って今月の16日でちょうど１２年になる。
そして、今日は13回忌の法事があった・・・
ままは、縁側ですり鉢でよもぎをこねているお姉ちゃんの姿が焼き付いて離れない。
赤いジャージの上下を着て、一生懸命すりこぎで練っているんだ。
そういう一場面、ヒトこまが脳裏から離れることはこの先もずっとあり得ないことだろう。、
街を歩いていても、仕事をしていても、電車に乗っていても、ところかまわずいろんな
場面がひょいと顔を出す。
ちょっとしんみりしてしまったね。
祥月命日が近付くと、特にお姉ちゃんのことが思い出され、いつもは明るいままなのに、
様子が変になってくる。
だから、つくしのことを思い出すと、よもぎを思い出し、お姉ちゃんを思い出すという風に、
ままの胸はどんどんお姉ちゃんの思い出でいっぱいになって、溢れんばかりになるんだ。
溢れてもいいよ。
僕がいつもそばにいるからね。
お散歩のときに、ままは僕にいつも話しかけるんだ。
わんこに人間に話すようにお話をするようになると、本格的な犬バカだそうだ。
ということは、ままは相当の犬バカだってこと？
ちなみに、パパはそんなことはないよ。
お散歩でもね、モクモクとただ歩くだけだ。
でもね、僕はそれはそれでいいんんだ。
黙っていてもパパの考えることはお見通しだからさ。
パパ、びっくりした？
あるわんこなんてね、これはテレビで実際に実験したお話なんだけどね、その家のご主人さまが、
会社を出た時間がわんこにはわかるらしいんだ。
だから、お家のそばまで来ると、玄関に走り寄り、お座りをしてご主人さまを
待っているんだって。
まあ、すべてのわんこがそうだとは言えないけどね。
忠犬ハチ公のお話はすごいと思うよ。
僕はハチ公には負けるけれど、気持ちだけはそういうことってことさ。
だから、おしゃべりなままも好きだし、男は黙って・・・のパパも大好きだよ。(*^。^*)
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪ ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？
