先生もお手上げだってことだ。
やっかいな病気にかかってしまったものだ。
移るといっても、僕みたいなわんこが皆移していたら、全国のわんこは全員僕と同じ病気になるわけで、
全てのわんこが移るわけではないけれどね。
抵抗力のあるわんこは移らないんだ。
だからって、僕の大事なお友達に移してしまったら僕は立つ瀬がなくなる。
だから、お友達には「悲しいけれど、かくかくしかじかで1年間お会いできません。」って泣く泣くお知らせしたんだ。
毎月のようにお友達と会って楽しんでいた僕なのに・・・
そうかあー 1年も会えないのかあー
「ねえ、まま、身体をくっつけなければいいんじゃないの？」
「そうはいかないでしょう！ハッピーがお友達と会って１回だってくっつかなかったことがある？いつも会うと嬉しくて
くんくんしていたでしょう？」
「うん・・・そうだね。とても我慢なんてやっぱり出来ないな。会うと絶対くんくんしてしまいそうだな・・・」
寝たきりになるわけでもない。こうしてお散歩もなんとかできるんだし、ここはぐっと我慢だね。
分かったよ、まま。お薬を毎回しっかり飲んで、シャンプーも１日おきに洗ってもらって、先生のおっしゃることを
ようく聞くことにあるよ。
平成19年8月18日の土曜日。
昨日は診察の日だった。
軽井沢旅行の前には「あと、もう少しの辛抱ですね」というあの言葉は、実は表面的なことだった。
要するに僕の鼻の毛が大分生えてきて、もう少し経てばきれいになるでしょうということだったんだ。
ままは本当に思い込みが激しいから、しかも良い方に取ってしまって、これで涼しくなるころにはきっと
良くなって皆とも遊べることでしょうって、勝手に解釈していたのだった。
ようく聞くと、「皆さんと会うのはまだ駄目ですね。何度も言うように、移るかもしれないし、そうでないかもしれない。
つまり、受ける側の体調にもよりますしね。移ってからでは遅いですからね。」
言われてみれば確かにそうだ。
お友達と直接は会えなくなったけれど、こうしてままが僕の様子を皆さんに知らせてくれるし、それだけでも
ヨシとしなければいけないよね。
まま、僕のことを皆さんが忘れないようにせっせと日記の方よろしくね。
僕はままにお願いした。
ままもお仕事をしているからね、なかなか日記も進まないけれど、なるべく努力するわねって言っていた。
こんな僕だけれど、これからもずーっとみんな僕のお友達でいてね。
田圃は稲が大分実ってきたよ。
稲穂が重くなってまるでお辞儀をしているようだ。
ままが言っていたよ。
昔の大女優で山田五十鈴さんっていたそうだけど、その方は「実るほど頭の下がる稲穂かな」という、この
成句が大好きでね、いつも口にしていたそうだ。
勿論腰の低い方だったそうだよ。
山田五十鈴さんっていう人は、女優としては、初めて文化勲章を受章した芸能界の巨星だと言われているんでしょう。
本当に偉い人っていうのは、どんなに名声を得ようとも、それを鼻にかけるのではなく、どんな時でも
低姿勢で、謙虚だということなんだね。
そうかあー すごいなあー
とても真似はできないけれど、僕はこの稲穂を見るたびにその言葉を思い出しそうだよ。
僕ができることってい言えば、やっぱりなんといっても、いつもにこにこすることくらいかな。
笑っていればなんだかいいことがありそうなそんな気がするよ。
悲しい結果を知らされようともね。
あっはっは それにしても、ちょっと笑いすぎかもねえ。
僕が今回患っている皮膚病の正式名は「真菌性皮膚炎」だ。
4ヶ月くらいで治ることもあるし、1年以上も治らない場合がある。
僕の場合も確実には言えないけれど、来年の夏までは完治するのにかかるでしょうとの先生の推測だった。
そうなんだ、あくまでもこれは推測なんだそうだ。
薬を飲んでいる間に、いくら培養液に毛を浸してみても、結果は白としか出ないそうだ。
詳しく知るには1か月お薬を飲まないで、それから検査をするしかないという。
「どうしますか？そうしてみますか？」
逆にパパとままは先生から聞かれてしまった。
それは怖い！その間にまた元のも黙阿弥になってしまったら、今までの僕の我慢はどうなるんだろう。
またぶり返してしまったら、どうなるんだろう。
ここは、先生のおっしゃる通りに1年間、様子を見るしかない。
そう、結論に達した・
先生もはっきりした答えは出せないとのこと。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪ ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？
