・・・というのが、ままの3月最後の日の春のミステリーの真相だ。
指輪を抜く時にはご用心!
指輪に噛みつかれ、あなたも三次元の世界に入り込むかもしれません。
ねえ、看護婦さん~(笑)
しかし、不思議なことは突然やってくる。
おかげで、ままは会社へは遅刻。
時間外治療で保証料5,000円を払わされ、まだ精算にも行く暇がないままだった。
春のミステリー、kowaidesune- kowaidesunee-- kowaidesuneee---
平成20年3月31日の月曜日。
3月は平穏にさってしまった。
こう思っていたのだが・・・
ところが!ところが!
朝、ままはいつものように顔を洗って歯を磨いて、お化粧を済ませた後に、今まで付けていた指輪を交換しようと
いつものように、外しやすいように石鹸を付けてぬるぬるさせて滑りがいいようになったところで、右手の薬指に
付けていたファッションリングを外そうとした。
そう、いつものように特に問題なく指輪はすんなり外れる予定だった。
なのになのに、外そうとしたその指輪がなんとままの薬指に挟まったまま、頑として外れない。
しかも、外そうとするとすごく痛い!
えっ!どういうこと!一瞬ままは真っ青になってしまった。
つまり、手のひらがわの肉がこんもり盛りあがり、つまり見た目には指輪は指の肉の間を通り抜けているように見えた。
しかし、今日の当直医は内科の先生だから、ちょっと聞いてみますと待たされ、結局は
外科処理は無理だとのことで、慈恵医大を紹介された。
しかし、慈恵医大では重症患者の対応の為、外科の先生は対応できないのでと、次に
柏厚生総合病院を紹介された。
ああー、今度こそは診察してくださいますように・・・と祈る気持ちでままは電話をした。
ずきずきと痛みは増してくる。
「年はいくつですか?」
不思議なことにいずれの病院でもまず、年を聞かれた。
年によっては断るということなのか?
ままもこれで、説明は三軒目だったから、慣れてきて、年は○○歳です。
そちらの病院には多分20分くらいで行けると思います・・・その他要領よくお話しすることができた。
「良かったです。 診ていただけるんですね。ありがとうございます。」
先生をお待ちしている間、看護婦さんに症状を尋ねられた。
「指輪が手に食い込んでしまって、外れないんです。」とまま。
こんなことがあっていいの?!
ままはきつねにつままれたような気分になった。
顔を真っ青にして、洗面所からリビングへと走り、パパに「こんなになっちゃったー」と
見せた。
「えーっ!どうしたの?!」パパも絶句である。
「こんなことってある?指輪がぽっきり二つに割れたってこと?」
それとも???パパとままは顔を見合わせた。
それにしても、このままの状態ではどうしようもない。
ままはまるで誰かに指をつねられた状態のようだから、痛みがあった。
しかもだんだん内出血もひどくなってきるようだ。しびれも出てきた。
ともかく、朝食は済ませなければねと、ご飯を食べ始めた。
でも、ままはショック状態で食欲はなくなり、大好きなイチゴも残してしまうほどだった。
やはりこれは自分ではどうしようもない。
会社に着くまでにどうにかなるといけないし、救急病院をネットで探した。
何軒かある内の、以前やはり、救急でかかったことがある、病院にまず電話をしてみた。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない?厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ?
ひょいっ!大丈夫だった、良かったあ~♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん?そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ!ハッピちゃん、可愛い~♪ ハッピーポッターだあー!♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん?僕って今注目されてるの?
「そんなに指輪は簡単には割れないですよ。」と看護婦さん。
だったら、この症状はなんなのか?
三次元状態とでも?
ままは内心看護婦さんに問い質した。
(でもね、最初はままも三次元の世界を実は想像したんだよね。これ、内緒ね。)
先生の診断が始まった。
今日は何度同じことを話したか。ままはだんだん上手になってきた。
先生はすぐに理解を示し「ああー、ファッションリングは薄いですからね、これは
割れたとしか考えられませんね。どうします?指輪を広げてもよろしいですか?」
「もちろんです。先生広げてください。お願いいたします。」
前以て看護婦さんに「いろいろ触るので痛いですよ。麻酔はかけませんから」と聞かされ、
肉を切断されるのを覚悟していたままはほっと胸をなで下ろした。
そして、ほらーっ、やっぱり割れてたんじゃないの?
内心ままは看護婦さんに言った。
ということは余裕が出てきた?
「ペンチと○○を持ってきて」と看護婦さんに言いつけ、看護婦さんはすぐに
用意をしてくれた。
「うーん、すぐに戻ってしまうね。広げても習性ですぐにリングは輪を作ってしまうからね。」
ピンセットのようなもので、今度はリングの真ん中を抑えた。
そうしておいて、グィーッとリングを広げた。
そして、ついに「やっぱり割れてましたね、出血してますから消毒しておきましょう。
痛み止めも出しておきましょうね。」
ままはすかさず、では痛み止めはロキソニンでお願いいたしますと、いままでの大騒ぎは
どこかへ行ったような明るい声で、先生にお願いしたのだった。