僕の4カ条

以前にも言われたけれど、もっと詳しく病状を知るにはMRIで調べる方法があるが、
全身麻酔をかけなければいけないので、あまりお勧めできないと先生は再度おっしゃつた。
だけど、以上のことをちゃんと守れば長生きしますからともおっしゃった。

だから、それ以来、僕がぴょーんとお椅子に乗ったり、降りたりすると、パパもままも
ヒヤヒヤもので、起きている間は始終僕に眼を光らせている。
ままのお隣のお椅子に僕はよく座るけれど、降りたい様子を察したままは、いち早く僕を抱っこ
してから降ろしてくれている。
余計な神経を使わせて、僕は親不孝だ。
でもね、ここで僕があの世へ旅立つともっと親不幸になるからね。
僕も、今からは無理をしなようにがんばらなくてはいけない。

「そうすると、これからはドッグランには行けなくなったわねえーっ」って、ままが嘆くと
「そんなに毎日でもないわけで、しかも最初に少し走るだけだから、その点は大丈夫さ！」
って、パパが答えていた。

気をつけなければならない僕の4カ条を、ここに記しておこう。
その1
筋力が弱まるので、お散歩は大事である。
その2
だけど、坂道はだめ！平坦な道をあるくように！
だから、もちろん階段もダメ！
幸いなことに、僕はお家の階段は上ることができないから、その点は安心だけれどね。
その3
歩くだけで、走ってはいけない。
その4
時間も1時間なんて長い時間はダメ！30分くらいにした方が良い。
僕の場合はお部屋の中でケージに入れられているわけでもないし、自由に歩けるわけだから、
運動はそれだけでも十分なのだそうだ。

腰はふらつくし、食欲も全然なくて、この火曜日から木曜日まで、全然食欲も
なくて、食べることができなかった。
それでもまったく食べないと体によくないし、無理やりレバーカットとかジャーキー
など、おやつのようなものだけ口にできた。
だから、汚いお話でごめんなさい！うんぴの方も全然音沙汰がなく、金曜日、
つまり昨日やっと成功したのだった。
すぐに病院に行ったのかって？
いやいや、パパの考えは動物というものは自然治癒力があるのだから、もう少し
様子を見ましょうということになり、安静に僕はベッドの中だった。
ままはお仕事をしていても心配でたまらない。
実をいうとね、パパは一人で僕を連れて行き、その後、ままに「ねえーどうだった？」と聞かれ、
「かくかくしかじか」ってパパが答えたことに対して「ねえー、あんなこと、こんなことを
聞かなかったのか？」って、質問攻めになるのがいやだったようだ。
まあね、でもね、基本的には”動物は自然治癒力があるのだから”という考えは変わっていない
ようだけれどね。

ちゃんとそういうことに気を付けてあげれば、平均寿命は生きられるけれど、ひとたび無理をすると、
急に亡くなったりします。
それでもよければ、したいことをさせてください。」
いつもの先生と違って少し厳しい言い方だった。
ままは、内心思った。そうかあーこれくらい強く言わないと、飼い主というものは
「かわいいかわいい」ばかりで、ついついわんこの願いを聞いちゃうし、それがかえってわんこの
寿命を短くするわけで、ほんとっ！気をつけなければ！って、パパとままとそして、僕も心を改めた。
と言いたいところだけれど、お散歩のときに、ついつい僕は先生の言葉を忘れてしまって、今日は
少し調子がよくなったものだから、思わず走ってしまった。
ままに「だめよ！」って言われて「すとーっぷ！」だった。

平成１９年６月9日の土曜日。
こないだの火曜日のこと。
僕はまた身体に異常を感じた。
そうなんだ。
2年前の夏におかしくなったことがあったけれど、それに似たような
そんな感じだった。
それはパパがお散歩に連れてってくれた直後あたりからだったから、
パパは変な草でも食べたのだろうかって、心配した。
というものも、最近僕の口のまわりが禿げてきて、白くなって
きたんだ。
それと関係あるのだろうかとか、あれでもないこれでもないって、
パパとままは心配した。
僕はそれこそ、口がきけないからね、痛いとか気持ち悪いとか
言えないしね。

しかし、その通りになったのには僕は自分自身驚きだ。
昨日、うんぴが出た途端に僕は元気になったんだもの。
まあ、すっきりさわやか～♪っていう気持ちがあったから、痛いのなんて忘れて
しまったのかもしれないけれどね。
僕って誰かさんに似て、単純だからさ。（笑）
でも、少しぐらい元気になったからって、ままは騙されなかった。
原因がわからないと、今後やはり心配だからって、今朝早くから病院だった。
「いつおかしくなったのですか？」と問うた獣医さんに「火曜日あたりからです。ちょっと
様子をみておりました。」と答えると、先生は声には出さないけれど、「あーあ」っていう
顔をした。
今までその病名は不確かで口には出さなかったのが「ハッピーくんは椎間板ヘルニア
なのだから、無理を絶対させてはいけません。悪くなっていいのでしたら、勝手に
走らせてもいいし、急な坂道を登らせてもかまいません。わんこというものは少し
よくなると、自分が病気であるなんてことはわかっちゃいないから、思うままの行動をします。
だから、飼い主が気を付けてあげなければいけないのです。

本当かなあ？大丈夫かなあ？
僕は少し不安だけれど、僕がたとえ暴走しても、パパやままがきっと「すとーっぷ！」って、
号令をかけてくれるよね。
いやいや、そんな当てにしてはいけないな。
人に頼ってはいけないよね。
自分のことだもの、僕、頑張るよ！
だけど、こうしてパパやままが見守ってくれているというだけで、僕はほっとしている。

「野良犬なんてどうするの？病気もするだろうにちゃんと自分で直しているだろう。
強くたくましくだよ！」
パパの声が聞こえた。
そうかあー　過保護という言葉は僕らわんこにも通ずる言葉なんだね。
「うん、そうは思うけどね・・・」
ままの声が聞こえた。
ままはいまいちはっきりしない。
「そうは思うけど、今までお座敷犬でいるわけだもの、急には無理でしょう。」

だからといって、パパが僕のことを見放すわけでもなく、それは僕が一番知ってるわけで、
要するに僕にもそういうたくましさが欲しいということなんだよね。

パパ、ようく分るよ、
だから、僕はこれからは言いつけを守るし、ごはんやお薬もきちんと食べるようにするね。
ともかくも、この1週間で僕の体は元に戻りつつある。
来週の土曜日は僕の6歳のお誕生日のお祝いをパピ友達がやってくれるし、
良くなるように僕はがんばるぞーっ！

そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪　ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？