真実は一つだ。
誤って裁判され死刑の確定を受け、亡くなっていった人たちはいったい何人にのぼるのだろう。
ある法務大臣は、死刑執行の判をつくのはいやだと本音を吐いた。
法律はこの世の秩序を保つために生まれたわけだけれど、ここで間違った判断をしてしまえば、
秩序も何もないではないか。
人が人を裁く。そして人が人を殺す。
やはり、どこかが間違っているような気がする。
かといって、どうしようもない悪人は現実にいるわけで、心の中でほくそ笑んでいるかもしれない。
罪を犯してもいないのに囚われ、重罪判決が出た不幸な人々。
悲しい現実はいつまで続くのだろう。
適切な判断、慎重な裁きを望んでやまない。・・・
すごく暗いお話に僕はなんだか悲しくなってきた。
幼い時から兄弟の面倒をみて、成人してからは親の借金まで背負い、しかし、ちゃんと負債を返し、
人一倍の苦労をしてきたんでしょう。
お金に困っている時に、落し物の３万を見つけたけれど、ちゃんと警察に届ける。
小学校の時に溺れそうになった子どもを助ける。
立派なことを数々してきたのに、なぜ歯車は狂ってしまったんだろうね。
この事件を起こすまでにも冤罪で何度か捕らえられているけれど、その時にもっとちゃんと否定できたら
良かったのにね。
悪いことって続けて起こるんだよね。
悲しいね・・・辛いね・・・
神様、どうぞ真実の裁きがなされますように・・・
ところで、また本のお話だよ。
ままは「時間はどこで生まれるのか」の前にいつもの4倍もの厚さの文庫本を読んでいた。
だから、いつもは1週間に2冊くらいは読むペースだけれど、このぶ厚い本を電車の中で
読むために重い思いをして2週間もバッグの中に入れ、読破したのだった。
最後の方は辛くなって震えがきて、胸がむかむかして、冷汗が出てきて、もう大変だった。
いわゆるクライマックス場面でのままの状態だった。
まま、どんなお話だったの？
島田荘司著「秋好英明事件」・・・
実際にあった事件を著しているので、それはもう壮絶なリアリティーたっぷりの作品だった。
昭和51年6月に福岡県飯塚市で一家4人が惨殺され、世間を震撼させた大事件。
犯人として逮捕された秋好英明は、当初は犯行を認めたが、公判途中から3人の殺害を否認。
自分が犯行に及んだのは一人だけだと主張した。
冤罪を訴えるが、指紋照合等々証拠提出依頼を訴えたにもかかわらず、なぜか足跡照合のみで、
指紋の提出依頼は裁判官からもなされることなく、最高裁までいき、結局死刑が確定した。
現在再審請求を行っているが、再審請求裁判の第一審は棄却されている。
平成20年4月6日の日曜日。
桜がついに葉桜になってしまった。
本当に桜って短い命なんだね。
太く短くかあ・・・
桜の定められた運命と言えばそれまでだけれど、はかないものを感じてしまうよ。
近くの小さな栗林に、たんぽぽがいっぱい咲いている。
本当は余所の人の土地だから、入るには許可が必要なんだろうけれど、柵も何もないし、ちょっとだけ遊ばせてもらった。
でもね、おちっこは僕はここではしないよ。
栗がたくさん生っている時期だって、いつだって、そうだよ。
ということは、僕はもう何度も無断でこの栗林に入り込んでいることがバレバレだね。
ここの持ち主さんにいつか会わないかなあと思っているんだけれど、未だかつて一度も会ったことがない。
もし会うことがあれば、その時には時々遊んでもいいかどうか絶対聞こうと思う。
これって罪になるのかなあ。
それにしてもたんぽぽがこんなに咲いているところなんてあまり見たことがない。
昨年までは確かこれほどでもなかったような気がする。
綿毛がふわふわと飛んできてこんなに増えたんだろうな。
遠くから眺めると一面まっ黄色ですごいのなんのって～～♪
春っていいねえ～♪
色んなお花が一斉に咲いて、僕は今日は春に酔って浮かれてしまったよ。
疑わしきは罰せずではなかったか！
もともと自殺するつもりで内妻の実家を訪れた秋好英明は、内妻の犯行の罪を被り最初は4人の
犯行を認めたが、公判中の内妻の秋好英明の人格までを否定するひどい行為にもう我慢も
これまでと、真事実を訴える。
しかし、時は遅し・・・
証拠物件の消滅もあり、多くの疑問点のみが残り、現在に至っている。
ドキュメンタリー風に始まった小説であるが、秋好英明の生い立ちから始まるこのストーリーには
波乱に富んだ秋好英明の半生が事細かに描かれており、これでもかと言うほどの、生き様を
詳細に見せている。
今までに既に出版されていた「秋好事件」（講談社1994年刊）を大幅改稿し、あとがきには
島田荘司自身による日本人の戦後の在り方、そして死刑の危険を世間に問うている。
渾身の力作である。
事件の真相はいかに？
本当の愛ってなんだろうね。
ちなみに、最初に秋好英明が庇った内妻は現在別の男性と結婚しているそうだ。
不幸の始まりの元凶はあの内妻だったかもしれない。
そして、いよいよ僕のお気に入りになった、この写真だよ。
大きなトランクの中には分厚い本が立てかけてあった。
そして、僕はその中に入るように言われた。
あーっ、ままが大好きなご本があるよー
でも、これってちょっと小さくない？厚みもあるし、。。僕は入れるかなあ？
ひょいっ！大丈夫だった、良かったあ～♪
次に、トランクに手をかけるように言われた。
そーっとかけてみた。
なるほどねえー・・・うん？そばにきれいなお花も置かれたよ。
「あらっ！ハッピちゃん、可愛い～♪ ハッピーポッターだあー！♪」
見ていた皆が口を揃えて言っているのが僕の耳に入ってきた。
うん？僕って今注目されてるの？
